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INTERVIEW04

榎戸 洋司(脚本)スペシャルインタビュー

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――完成した作品を観て、いかがでしたか?
榎戸 とにかく、自分たちの観たい『スタードライバー』の映画になった、というのが、一番ですね。
――制作に入ってから、一番苦労された点はどこでしょうか?
榎戸 個人的には、総集編映画の脚本は、新作を書くよりも10倍大変なんです(笑)。ただ、その苦労が報われたフィルムになっているかな、とは思いますね。シナリオ・ワーク自体は、一年以上前に終わっているんです。今回はシナリオより、その後のフィルム制作に携わった五十嵐監督やスタッフの皆さんの『熱気』がストレートに伝わる映画になったな、という印象があります。
――テレビシリーズが終わって、しばらくしてから脚本作業に入られたそうですが、久しぶりにタクトたちを描いてみて、いかがでしたか?
榎戸 なんか楽しかったですね。僕はやっぱり『スタードライバー』という作品、あの世界観、登場するキャラクターたち、そのすべてが大好きなんだな、と再確認しました。
『南十字島』は、日本の南方の、複数の島のイメージを重ねてつくった架空の土地なんですが、都会暮らしの人が憧れる、「南の島はこうであってほしい」という理想が結晶化してるような島ですよね。
――タクトたちはある意味、非常に理想的な健やかさを身にまとってますよね。
榎戸 ことにタクトは、こんな風に潔く生きたいな、という理想像として描いたキャラです。作品とかキャラは、作り手を簡単に凌駕する。僕自身は、タクトのように立派でもなければ、強くもない。ただ、そこになにかコメントするなら、せめてタクトと出会った時、友達になれるような人間ではありたい、と思いますね(笑)。
『スタードライバー』というのは、人生のここ一番という時にはひたむきに生きる。 ただそれだけを描いたシンプルな物語なんです。そして今回は、そのシンプルな物語をシンプルなままに表現することができた。 だから、難しく考えずに、とにかく楽しんで観てほしいですね。